3月7日・8日の2日間にわたり、第34回わたぼうし音楽祭「作詩の部」の選考会を、約50人の市民選考委員の参加により行いました。難航した選考の結果、第34回わたぼうし音楽祭「作詩の部」入選詩が決定しました。現在、実行委員会では、入選詩にメロディをつける「作曲の部」、詩とメロディをセットで応募する「作詩・作曲の部」の作品を募集しています。あなたのメロディで、第34回わたぼうし音楽祭を演出してみませんか! あなたからのご応募、お待ちしています!
作詩:元重耕治[島根県松江市・47歳]
大分の風は とてもやさしかった
大分の風は とてもあたたかかった
大分の風は ぼくに勇気をくれた
毎年 国体にゆく父の姿は
ぼくにとってはスーパーマン
何時かぼくも そうなりたいと
夢を追いかけ 20年
ついに掴んだ 夢舞台
50M競走の
相手の車はレーサーで
あっという間に抜かされて
心も体も凍てついて
一人しょんぼり 競技場
だけどその時 スタンドから
嵐のような熱風が
負けるな 走れと 背中押し
取らせて くれた 銅メダル
取らせて くれた 銅メダル
家に帰って気づいた事は
こんなに弱虫の ぼくでも
見守ってくれている 友がいること
見守ってくれる 家族がいること
大分の風よ ありがとう
忘れかけていた 大事なことを
ぼくに教えてくれて
ぼくに思い出させてくれて
ほんとうに ありがとう
大分の風は とてもやさしかった
大分の風は とてもあたたかかった
大分の風は ぼくに勇気をくれた
作詩:矢口正一[三重県伊賀市・60歳]
わたしは毎日重い荷物を背負っています
物は見えても重さは人にはわかりません
長い間(あいだ)に背負い慣れましたが
それでも重くてえらいです
少しでも軽くしたくて
毎日せっせと頑張っていますが
荷物は減りません
人に助けてもらえば軽くなりますが
持ってもらうことは出来ません
「おろしたい」と思うことがありますが
荷物は身体(からだ)にくっついて
わたしの一部になりました
この荷物をおろせば
わたしはわたしでなくなります
荷物のお陰で出来ていること
出来ること一杯あります
だからわたしは「このままでいい…」と
やっと思えるようになりました
重い荷物だけどいつまでも
このまま背負って行きたいです
作詩:貞弘治美[山口県周南市・35歳]
(1)
きづいたらびょういんだった
なぜ 病いんにいるの?
体 うごかせないの?
ろれつ まわらないの?
きけない気がした ははには
びょう院にとまる母には
「どうしてわたし 病いんにいるの?」
きいてみた ちち親
こたえは 交つうじこ
そして始まる リハビリせい活
あるけるように良くなろう
滑ぜつを良くはなしをしよう
周りには びょう気や怪がのひと
め生えてくる なか間意しき
たたかっているんだ いま共に
(2)
3年経ち 杖で歩ける
夢見た 社会せい活
果たした 職場復帰
なんてすばらしいんだ
行くところがある 毎日
何かすることがある
日じょう生活に戻ったけれど
違ってる まえと何か
「高次脳機能障害」
判だん力 頭の回てん
覚えられない な前や日付
席から立つと また忘れる
脳の中 きずが付いたから
がむしゃらに メモを取る日々
ふ通生活への 切り札
怖かった 障害のない人達
事故の後 ずっと
バカにされている そんな気がした
杖や記憶を
でも違う
今の自分を 見つめて
顔を上げたら
皆が手を 差し伸べてくれていた
笑いかけて くれていた
ありがとう
作詩:鈴木信夫[神奈川県横浜市・38歳]
わたしは呼吸をつなげています
見えないものを見るために
聞こえないものを聞くために
いつでもわたしを紡いでいたい
そして見つめて
ためらわずにあなたを愛そうと思います
月下美人が咲く夜は
わたしの心も咲きはじめるから
ここにいられること
たいせつにしてみたい
わたしはあなたとつながっていたい
なくしたものを見つけるために
伝えられないことを伝えるために
いつでもわたしを残していたい
そして見つめて
あきらめずにあなたを愛せるでしょうか
わたしの心が咲く夜に
あなたの心に指が触れるなら
ここにいられること
たいせつにしてみたい
作詩:大家 涼[神奈川県秦野市・14歳]
昨日は泣いた ひとりで泣いた
くらいベッドで ひっそり泣いた
ぼくには できない 何もできない
言えない 聞くこと分からない
どうして ぼくだけ こうなんだ
雨の夜 なみだで 母さん せめた
今日は笑った はじめて笑った
笑ってみろよと きみがおしえた
ぼくには できる 何かができる
できないことが あるかわり
ぼくだけできる 何かある
きみの えがおが まぶしかったよ
明日は楽しむ みんなと楽しむ
生きてゆくとは 楽しむことさ
ぼくと あなたが わたしと きみが
手と手をつないで 歌ったら
雪でも風でも へっちゃらさ
春の いのちが かがやいてくる
作詩:濱地奈央香[神奈川県横浜市・27歳]
ききにくい耳は 相棒
うまれてから しぬまで いっしょ
仲良ししたり ケンカしたり
15歳 耳 きらい
18歳 耳 仲良し
22歳 耳 ケンカ 仲直り
これからもずっと いっしょ
ききにくい耳は 相棒
うまれてから しぬまで いっしょ
仲良ししたり ケンカしたり
いじわるだけど ぼくの相棒
人間というのを おしえてくれる
役に立ったり 腹が立ったり
15歳 耳のこときらい
18歳 耳と仲良しに
22歳 耳とケンカ 仲直り
これからもずっと いっしょ
うまれてから しぬまで いっしょ
作詩:川島寛子[奈良県橿原市・56歳]
些細なことで悩んでいた私
誰も一人で生きてるんじゃないって
あなたはいつも暖かい眼差しで
包んでくれたね
人を信じ 愛することの素晴らしさを
あなたは何も語らず
そっと寄り添うことで教えてくれたね
振り向けばそこに二人の道が出来ていた
今こそ言おう ありがとう 大きな愛を
何気ない言葉に傷ついてく心
大丈夫いつか笑い話になるって
あなたは頷(うなづ)きながら
黙って聞いてくれたね
生きている意味さえも分からなくなった時
その一途な懸命さが
大好きだよと一緒に泣いてくれたね
あの涙が折れそうな心を支えてくれた
今こそ言おう ありがとう 生きていくよ
ありがとう あなたに出会えてよかった
いつかきっと別れの時は来るけれど
あなたのぬくもり抱きしめて生きていく
手を取ってもらって歩いてきた道
つまずいても 転んでも
何度でも起き上がり歩いていく
頑張り過ぎないでって
あなたはまた笑うかな
ねえ母さん 私も少しは強くなれたかな
作詩:団野利男[京都府城陽市・43歳]
不器用だからつまずいてばかり
立ち止まって地団駄を踏む
世間のせいにはしたくはないけど
その世間こそ障害を生んでいる
でも私にはあなたがいる
付き合ってくれる仲間もいる
そんなやわらかなベッドの上で
思うがままに夢も見られる
一人一人が集まってきて
互いの違いを受け入れるとき
一人ぼっちじゃないって
いつもそう思うんだ
障害という個性によって
それぞれのぬくもりを感じる時に
一人ぼっちじゃないって
いつもそう思うんだ
何もかも割り切れたなら
どんなに楽だろう 障害もそう
だけど豊かなこの国にいる事
その幸せを忘れちゃいけない
今も戦争の中で暮らす人達がいる
死んで逝く人達がいる
そこにやわらかなベッドは
きっとどこにも見つからない
一つ一つの命が集まり 平和を訴えている
子どもや老人や 障害を持つ人達が
その事を忘れちゃいけない
この命をさずかった私達は
この世の中で弱い立場の人達の事を
一つ一つの命が集まり
生かされている事を
その胸に焼き付けたなら
その心に響いたなら
やわらかなベッドというのは
平和の中にある事を
いつまでも求めたい
平和とやわらかなベッドを
作詩:川向春香[青森県八戸市・15歳]
幼いころ
わたしは「お嫁さん」になりたかった
大好きな人と 一緒に暮らす 幸せな夢
わたしは「お菓子屋さん」になりたかった
食べたらみんな 笑顔になる
そんなお菓子をつくる夢
わたしは「お花屋さん」になりたかった
香りと色との刺激にかこまれて
もっときれいな花を咲かせる夢
今のわたし
本当の夢をみつけた
「針灸・マッサージ師」になりたい
香りや色にかこまれることはないけれど
誰かを笑顔にすることはできる
わたしの心を笑顔にすることはできる
わたしはまだ 花の蕾
きれいな花が咲くまでの道は長い
だけど いつか
わたしは花を咲かせる
笑顔という花を
心の笑顔という花を
作詩:菅沼佳美[東京都渋谷区・26歳]
大変でしょ?
そのひと言で
みんな私から遠ざける
やりたいこと できることまでも
親切心は
ときにおせっかい
私だって同(おんな)じ人間(ひと)だから
やりたいこと できることがある
人生の終わりに
後悔だけはしたくない
だから私は行動する
それが不可能に見えることでも
わがままだと
いわれることもある
でも無茶をしなければ
やれないこと できないことがある
人に迷惑をかけてでも
後悔だけはしたくない
私が歩んできた路(みち)を
意味あるものにしたいから
人生の終わりに
後悔だけはしたくない
だから私は行動する
失敗なんておそれない
自分の人生だから
人に決められたりはしない
ただ 自分自身で褒められる
生き方をしていくだけ