連続フォーラム 社会的排除と市民活動

インクルーシブ・ソサエティをめざして

グローバリゼーションが進むなかで、多様な世界を「市場化」が支配し、均質な世界が広がっています。競争原理がもたらす効率性や合理性の追求は、「勝ち組」「負け組」といった社会的格差を生みだし、今や人間は搾取の対象ではなく排除の対象となったといわれています。
近年、社会変化が加速するにつれ、「社会的排除」は、これまでの固定的な社会関係や経済構造だけでなく、人間の生存に関わる広い範囲にまで及んできているように思えます。社会資源にアクセスする機会や自己を表現する機会からの排除によって、人間的な幸福を追求する権利を行使できないこと、自らの存在意義や生きる意味を見失ってしまうことなど。こうした「社会的排除」は、社会の不安定化を招き、社会のイノベーション(変革)の障害となっています。
このような状況においては、排除された人々への施策はもちろんのこと、排除を生じさせないための、先を見越した取り組みが重要です。すなわち、社会に参加する方法やその選択肢を増やし、一人ひとりの可能性に向き合い、これをエンパワメントすることが求められますが、そのために、多様な市民活動の果たす役割は小さくありません。多様であることに美や幸福を感じられるような共生社会を構築していくために、社会的排除の解決に向けて取り組んでいる市民活動から学びます。

大阪 全9回(1~11月、原則として第3水曜日)
    共催 船場アートカフェ
    プログラムはこちら>>>

東京 全6回(2~9月、原則として第2水曜日)
    共催 東京ボランティア・市民活動センター(東京)
    プログラムはこちら>>>

参加費・定員・申込み
参加費 一般1,000円、学生500円/各回(当日申し受けます)
※学会員は無料

定 員 30人/各回 

連続フォーラム(大阪)
第9回11月15日(水)【終了】
19:00~20:30(受付18:30~)
船場アートカフェ(船場郵便局向かい 地図はこちら→

本当の「待つ」とは何か ~青年支援の現場からの経験知~

「淡路プラッツ」は、ひきこもり・ニートなど、さまざまな困難をかかえる青年たちを支援するフリースペースです。ここでは、一貫して青年たちを信頼することを大切にしてきました。しかし、具体的なかかわりとしては「かれらが動き出すまで待つ」と「スタッフから積極的に働きかける」という2つの対照的な姿勢のあいだで、大きく揺れ動いてきました。
代表の田中俊英さんをお招きして、設立から10数年の議論と試行錯誤を振り返りながら、「プラッツ」が現時点でよってたつ「一人ひとりに寄り添う」という姿勢についてご紹介いただきます。そして、真の意味での「自己決定」とは何か、「待つ」とは何かについて、考えてみたいと思います。

▼田中俊英(特活・淡路プラッツ代表)

20代は編集者、不登校の子どもへのボランティア活動を経て、不登校やひきこもりの青少年への訪問活動を中心とした個人事務所「ドーナツトーク社」を96年に設立。2000年より淡路プラッツのスタッフ。02年に同施設がNPO法人を取得したことにともない、代表に就任。03年、大阪大学大学院文学研究科「臨床哲学」を修了。

第8回10月18日(水)【終了】
19:00~20:30(受付18:30~)
船場アートカフェ(船場郵便局向かい 地図はこちら→

回復する力、支える力 ~社会病理としての薬物依存を乗りこえるために~

 薬物やアルコールに依存する人たちの問題が深刻化しているといわれています。一般に、依存の原因は本人たちの「意思の弱さ」であると考えられがちです。しかし、果たして本当にそうなのでしょうか。依存は本人の意思だけではコントロールできない「病気」であるという事実や、依存を誘発させる「社会環境」の側の問題もみつめなければならないのではないでしょうか。問題解決の糸口は、きっと社会の側にも、そして私の中にもあるはず。Freedomで薬物依存からの回復を支援する倉田めばさんと共に考えます。

▼倉田めば(大阪ダルク施設長、Freedomコーディネーター)

くらた・めば 1993年フォトグラファーの仕事を辞め、薬物依存回復施設、大阪ダルクを開設。解毒後の薬物依存者の手助けを主体に活動を続ける。2001年市民団体「Freedom」を多くの賛同者と共に設立。薬物依存症からの回復支援を多角的に捉え、新たな社会資源を作り出すために奔走している。薬物依存当事者。

第7回 9月20日(水)【終了】
19:00~20:30(受付18:30~)
船場アートカフェ(船場郵便局向かい 地図はこちら→

回復する「家族」~ 子どもたちと共に

 日雇い労働者のまちとして知られる大阪・釜ヶ崎の一角にある「こどもの里」は、放課後や休日に遊びに来る子、家庭の事情で一時的生活している子など、多様な生活事情をもつ子どもたちが利用する場所。年齢や国籍、障害のあるなしも多様です。
荘保共子さんは、そんな子どもたちに、開設以来30年近く関わってきました。制度からこぼれ落ちる子どもたちのニーズに柔軟に応えながら、子どもたちの「生きる力」に教えられてきた、という荘保さん。子どもたちとの対等な関係を維持しながら、子どもたちの背景にある生活そのものの不安定さと取り組む毎日です。経済不安、生活習慣の乱れ、家庭内暴力、親の離婚……。
荘保さんが子どもたちと共に見つめてきた問題を切り口に、人間的に豊かに生きていくための「家族」や「地域」について考えます。

▼荘保共子(こどもの里 施設長)

しょうほ・ともこ 幼児生活団や保育園勤務の傍ら、ボランテイア として釜ヶ崎にある西成市民館の土曜学校に関わる。出会った子どもたちの輝く瞳に魅せられ、1978年聖フランシスコ会「ふるさとの家」の2階で、学童保育「子どもの広場」を開設。
1980年、守護の天使の姉妹修道会が、現在の場所に「こどもの里」 として移転開設。1996年「大阪市子どもの家」として認可される。1998年「カトリック大阪大司教区」が修道会より事業を受け継ぎ、同年「こどもの里」施設長となる。2001年「大阪市家庭養護寮」としても指定される。

第6回 8月23日(水)【終了】
19:00~20:30(受付18:30~)
船場アートカフェ(船場郵便局向かい 地図はこちら→

二重の排除に向きあう ~外国人女性DV(ドメスティックバイオレンス)被害者支援の現場から~

 結婚して日本にやってくる外国人女性のなかには、家庭内で暴力の被害にあう人も少なくありません。そのさい、在留資格を脅しに利用されたり文化的に侮辱されたりするなど、外国人女性特有の暴力を受けることがあります。また、被害者が日本語を使いこなせないことや支援側が外国人をめぐる社会背景を知らないために、十分な支援を受けにくいのが実情です。

 市民団体「くろーばー」は、多言語による電話相談などを通じて、外国人女性の支援をしています。家庭や地域での生活にかかわる支援活動は、市民だからこそできるという一面がある一方、社会背景、法律、語学などにかんする高い専門性も要求されます。また、こうした活動を市民のボランタリーな精神に頼りすぎ、経済的保証がきわめて手薄だという課題もあります。くろーばーの活動をとおして、社会的排除の構造を見つめなおすと同時に、市民活動における専門性や対価のありかたについて考えます。そして、多様な文化が共生する社会づくりにむけて、その道筋を探っていきたいと思います。

▼尾上皓美 (くろーばー事務局長、中国語通訳)

商社勤務、中国留学を経て「(特活)多文化共生センター大阪」職員として在住外国人対象の生活相談、通訳コーディネートを担当。退職後、2003年に「くろーばー」を立ち上げ、外国人DV被害者のための相談、通訳翻訳、通訳者養成などを実施している。フリーランスの中国語通訳者としても活動。仕事の傍ら、大学院に在学し、「DV被害者支援場面での通訳制度」について研究している。学校や行政窓口、相談機関などで通訳を行う通訳者のネットワーク「多言語コミュニティ通訳ネットワーク(mcinet)」を、今年9月に設立する予定。

第5回 5月17日(水)【終了】
19:00~20:30(受付18:30~)
船場アートカフェ(船場郵便局向かい 地図はこちら→

生きにくさ、という表現 ~劇場と日常のあいだで~

私とあなたは違うのに、世の中に自分と同じ人間などいないと知っているのに、自分について誰かに伝えたり、その違いを受け容れるのは難しいことです。それを「生きにくさ」として感じ取り、心の問題を抱えた人たちは、社会の中で居場所を失いがちです。福本さんと三好さんは、心の問題を抱える人たちとともに、その「生きにくさ」を何とか表現したいと活動を続けてきました。お二人が、劇場と日常のあいだで考え実践してきたことを一例に、当事者として、支援者として、また痛みと願いを共有する市民として、生きにくさを表現していくことの意味を考えます。

▼福本年雄(ウイングフィールド オーナー)
大阪・心斎橋の劇場「ウイングフィールド」のオーナーとして、14年にわたって関西の演劇文化を支えている。アルコール依存症で通院するクリニックで知り合った当事者や医療福祉関係者、市民有志らとともに、2003年「こころ�ネットKANSAI」を結成し、ゆるやかなペースで活動を続けている。

▼三好弘之(小杉記念病院ソーシャルワーカー)
福本さんとの縁によって演劇表現に接するようになる。生身の人間と向き合い、対話を試みる姿勢が、医療と似ている点に関心をもつ。「こころ�ネットKANSAI」のメンバーとして、摂食障害をテーマにした演劇作品づくりへの協力や、当事者・家族を対象にしたワークショップなどを試みている。

第4回 4月19日(水)【終了】
19:00~20:30(受付18:30~)
船場アートカフェ(船場郵便局向かい 地図はこちら→

セルフヘルプの可能性 ~支えあいから文化の創造へ~

障害のある子どもの親としての立場から、セルフヘルプグループを立ち上げた向井さん。子どもと、親である向井さん自身が人間らしく生きていく権利を獲得するために、問題の個別性や当事者の枠を越え、地域の多元的な問題にまなざしを向けてネットワークを広げてきました。問題を抱えた当事者であると同時に、課題を解決する主体として、社会的排除と向き合う。そのしなやかな創造力に迫ります。

▼向井裕子(特活・地域生活サポートネットほうぷ代表理事)
社会福祉士。重度の障害をもつ長女の誕生により、会社を退職し育児に専念。育児のかたわら社会福祉を学び、フリーランスでの活動を経てNPO法人を設立。共著に『障害をもつ子を産むということ──19人の体験』(1999,中央法規)。

▽コーディネーター:中田智恵海(佛教大学社会福祉学部助教授、ひょうごセルフヘルプ支援センター代表)
口唇口蓋裂の子どもをもつ親として、セルフヘルプグループ「関西地区口唇口蓋裂児と共に歩む会・大空会」に関わり、1995年から3年間代表。2000年には「ひょうごセルフヘルプ支援センター」を設立。実践活動のかたわらセルフヘルプに関する研究にも携わる。

第3回 3月15日(水)【終了】
19:00~20:30(受付18:30~)
船場アートカフェ(船場郵便局向かい 地図はこちら→

DVに立ちむかうネットワーク

いくの学園は、市民の手によって存亡の危機を乗りこえた、DV(ドメスティック・バイオレンス)被害者のためのシェルター。ジェンダーや子育て、地域生活などの幅広い社会問題との関わりから、人の生きやすい社会について考えます。

▼ステファン・ラル(特活・いくの学園相談員)
いくの学園、HIVと人権・情報センター、QWRC(クォーク=クイアと女性のための資料センター)相談員。関心分野はHIV/AIDS、移住労働者、LGBTI(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー、インターセックス)、性暴力サバイバーの運動。

▽コーディネーター:伊田広行(立命館大学非常勤講師)
ジェンダーとシングル単位の視点から社会の諸問題を考察している。近年は〈スピリチュアリティ〉を組み込んだ人権/人生論やスピリチュアルケア論の研究に取り組んでいる。主著に『スピリチュアル・シングル宣言』ほか。

第2回 2月15日(水)【終了】
19:00~20:30(受付18:30~)
船場アートカフェ(船場郵便局向かい 地図はこちら→

市民表現としてのメディア

生活の身近なところでとらえた映像を一緒に鑑賞し、素朴な感情を共有したり、違った感覚を楽しみ、異なる文化や手法に敬意をもつ。てれれ流インクルージョンの手法を例に、表現から排除されてきた生活者の視点に迫ります。

▼下之坊修子(ビデオ工房AKAME/カフェ放送てれれ)
映像を活用して、主に女性たちの生活や人権の社会化に取り組むカフェ放送てれれ。身近な生活をとらえた映像をみながら、てれれ流インクルージョンの手法を例に考えます。

▽コーディネーター:松浦さと子(龍谷大学教員)

第1回 1月29日(日)【終了】
14:00~16:30(受付13:30~)
大阪市立総合生涯学習センター第1研修室(大阪駅前第二ビル 地図はこちら→

ソーシャルインクルージョンへの取り組み(1)
~フランスのNPOによる社会参入支援活動から

▼福原宏幸(大阪市立大学大学院経済学研究科教授)
経済学の立場から、労働市場とそれに関わる諸問題について議論を展開している。最近は、貧困や社会的排除の問題について実践的に取り組んでいる。訳書に『グローバル化と社会的排除:貧困と社会問題への新しいアプローチ』。また、2004年11月より「社会的排除とコミュニティケア」研究会を主催している。

ソーシャルインクルージョンへの取り組み(2)
~日本の社会的企業による実践例から

▼佐野章二(ビッグイシュー日本代表)
都市科学研究所主任研究員、地域調査研究所代表などを経て、2003年より現職。地域プランナーとしてまちづくり方策、市民公益活動の制度化などへの提案を行う。NPO法成立後、2001年にはシチズンワークスを立ち上げ、「市民研究講」を提唱。その第1号講である「ホームレス問題研究講」から雑誌『ビッグイシュー日本版』を生んだ。

▽コーディネーター 田中義信(大阪女学院大学)

連続フォーラム(東京)
※たいへん勝手ながら、10月11日(水)および11月8日(水)予定分は見送らせていただきました。ご迷惑をおかけしお詫び申しあげます。
第6回 9月13日(水)【終了】
19:00~20:30(受付18:30~)
東京ボランティア・市民活動センター会議室B(飯田橋駅前 地図はこちら→

異世代交流で地域のネットを紡ぎなおす
~興望館の挑戦

東京の下町、墨田区京島にある興望館は、セツルメントとしてその活動をはじめて以来、地域の変化にそって、その中核プログラムを変化させながら、80年余にわたってこの地で活動を展開してきました。

ここには、保育園の親子、学童クラブの子ども、キャンプリーダーの高校生や大学生、お食事会に参加するお年寄り、イギリスからやってくる大学入学前社会体験中の若者、そのほか、興望館の活動を支えてくれる近隣住民、年齢や地域も国まで異なる多彩なボランティアが集います。

比較的地域の絆が強いと思われているこの地でも、高齢化がすすみ、大規模再開発の影響などをうけ、新旧住民の入れ替わるなど、地域の様相がかわってきています。孤立する高齢者、深刻化する子どもたちをめぐる環境、その子どもたちの親の価値や暮らし方の多様化からおこるさまざまな葛藤、あるいは、増大する外国籍のこどもたちへの対応への遅れ、など、地域には新たな課題が次々と起きてきています。

そのようななか、興望館では、地域の課題をみすえ、異世代が交流し、支えあう仕掛け、時に子どもたちやお年寄りなど、より支えを必要とする人たちの連帯やそのような世代にかかわる機会のすくない学生などを意図的につなげる試みをとおして、地域の絆を紡ぎなおそうとしています。

今回は、試行錯誤しながらも、地域の今をみすえたプログラム展開を行っている興望館のスタッフから地域の現状を語っていただくことから、地域の再生、人と人の支えあいの関係づくりについて考えていきたいと思います。

 

▼発題者調整中(興望館)

興望館は、1919年に、北米・カナダの女性宣教師たちにより設立。関東大震災を経て、1927年に現在地の墨田区京島に土地を得た。設立当初は低所得層に対して、診療所、女性の所得創出プログラム、子どもの託児、教育やレクリエーションプログラムなどを展開。戦時中に宣教師たちは引き上げたが、戦後もいちはやく、地域の復興の中核となり、その後も、地域のニーズにあわせて活動内容を変化させながら、地域のよりどころとして現在にいたる。長野県に東京都の都外施設として児童養護施設沓掛学荘を運営。京島が本部であり、保育園、児童館、地域福祉施設としての機能をはたしている。

第5回 8月 9日(水)【終了】
19:00~20:30(受付18:30~)
東京ボランティア・市民活動センター会議室B(飯田橋駅前 地図はこちら→

子どもの現状と大人の責任
~チャイルドラインからみえてくることから

▼澤畑 勉(せたがやチャイルドライン常務理事)
▽コメンテーター 栗原 彬(明治大学教授)

現代社会は、子どもにとって受難の時代といわれています。さまざまな犯罪の対象となるとともに、たくさんの子どもたちが、安心の場・心を開ける場をもてず、親とも先生とも友だちともよい関係を結ぶことができず、孤立し、信じるものもなく、生きることに喜びも希望もみいだせずにいます。

そのような子どもたちが、自分の気持ちを語ることができる場として「チャイルドライン」があります。子どもたちは語ることにより、自らを主張するとともに、自分の気持ちを整理します。電話の受け手は子どもたちの悩み、苦しみ、寂しさ、辛さ、叫びに耳を傾け、受けとめ、ともに考えます。受け手の役目は、お説教や指示ではありません。子どもたちが、安心して、心を開くことができる相手に語ることにより、自らの道を切り拓いていくことを支援するのです。

また、チャイルドラインでは、受け手を支える支え手を必ずおくことが特徴です。聴くことにより、受け手もまた、社会の現実を目の当たりにし、さまざまなことを考え、成長しますが、それには、いったん、重荷を誰かと共有し、整理する作業が必要だからです。

澤畑勉さんは、そのようなチャイルドラインを世田谷に立ち上げた原動力となったお一人です。世田谷区の職員として、児童館ひとすじにかかわり、子どもたちと本音のつきあいをし、子どもたちの心に寄り添い、時に親以上のかかわりをし、子どもたちの生きる力をひきだし、子どもたちのいのちを支えてこられました。

いま子どもたちはどのような状況にあるのか。そして、子どもたちをそのような状況においこんでしまった大人の責任をどう考えるのか。子どもたちを社会にインクルードし、ともに夢をもって生きていくことができる社会のビジョンをどう考えるか。重い現実に立ちすくむことなく、一歩でもふみだせることを願いつつ、この会でともに考えあいたいと願っています。ぜひ、ご参加ください。

第4回 6月14日(水)【終了】
19:00~20:30(受付18:30~)
東京ボランティア・市民活動センター会議室B(飯田橋駅前 地図はこちら→

境界線を揺さぶる
~マイノリティとマジョリティをめぐって

 ある人の、身体的または精神的な特徴や、文化的または社会的背景が「障害」となるのは、社会の構造がその特徴や背景を排除したものだから。つまり、社会がその人のためにつくられていないから、ということが言えます。(マイノリマジョリテのサイトより)
たとえば健常と障害。たとえば健康と病気。その境界線はどこにあるのでしょうか。その境界線は誰が決めるのでしょうか。
マイノリティの立場から、人々の中の無意識の境界線に揺さぶりをかけるパフォーマンス「東京境界線紀行」。障害と健常の両極や、男と女の裏表を、メビウスの輪のようにつなげて見せるパフォーマンスは、どんな人々の思いによって実現したのでしょうか。社会のあらゆる価値を相対化するアートな試みのなかに、インクルーシブ・ソサエティへのヒントを探ります。

▼樅山智子(作曲家)/ 三宅文子(企画制作)マイノリマジョリテ・トラベル
マイノリティとマジョリティの境界線を旅する、さまざまな「障害」を自覚するパフォーマーたちのアート・アクション・ユニット。樅山智子(作曲家)、羊屋白玉(劇作家、演出家)、三宅文子(企画制作)の3人が旅の添乗員をつとめる。明治安田生命社会貢献プロジェクト「エイブルアート・オンステージ」参加事業として、約半年におよぶ「東京境界線紀行」(ワークショップ)を経て、4月にパフォーマンスクルーズ「ななつの大罪」を実施した。

第3回 4月12日(水)【終了】
19:00~20:30(受付18:30~)
東京ボランティア・市民活動センター会議室B(飯田橋駅前 地図はこちら→

見えないシステムによる排除・抹殺とたたかう
~実名を公表して11年・川田龍平さんを囲んで

 近現代の人間たち(私たち)が生み出した、巨大で顔の見えない「システム」。川田龍平さんのアクションを見ていると、薬害被害の当事者として「薬害エイズ問題」を超えて、「平和・命・人権」への排除・抹殺に対して、文字どおり生命をかけてたたかっているように感じられます。
当日は川田さんの問題提起を受け、数人の若者たちも登壇予定です。タイの寺院で過ごすエイズ患者の介助に通い続ける学生、学びから逃げ回る高校生と格闘する新米教師、山谷の路上生活者やインドの先住民族の暮らしとの出会いを続ける若者など。「セカイ」をこの手に取り戻す模索のなかに、排除を超える道筋を探ります。

川田龍平(東京HIV訴訟原告/松本大学)
高校3年生で「薬害エイズ事件」の国と製薬会社の責任を問う東京HIV訴訟の原告に加わり、95年実名公表。松本大学非常勤講師、人権アクティビストの会代表、龍平学校・PEEK主宰。

▽コーディネーター 楠原彰(国学院大学)

第2回 3月8日(水)【終了】
19:00~20:30(受付18:30~)
東京工科専門学校(東中野駅前 地図はこちら→

路上から地域へ~地域のなかの多様な生活を認め支え合う社会とは

 人は多くの人たちとの関わりの中でお互いに支えあいながら生活しています。しかし、仕事、経済、文化、病気、人間関係など何らかの原因により自分の意思とは異なる生活を送らなければならない人たちが多くいます。その背景に誤解と無理解があります。いま、やむを得ず路上で生活しなければならない人たちの多くが、仕事に就く機会が必要、地域社会の理解が必要、制度政策による支援があればなど、さまざまな想いの中で生活し、また、その人たちを支援し続けている市民活動があります。多様な生き方、考え方などを相互に認め合いながら共生していく地域社会とは何か、どのような地域文化を創るのか。路上で生活している人たちを支えている視点から何が課題なのか。市民は、地域は、企業は、行政はそれぞれ何をしなければならないのかを考えてみたいと思います。

▼うてつあきこ(自立生活サポートセンターもやい
保健師として訪問看護などの地域医療に携わる。2003年より〈自立生活サポートセンター・もやい〉にてボランティアを始める。2004年6月より、ホームレス状態を脱してアパートで一人暮らしをしている当事者と共に交流サロン「サロン・ド・カフェ こもれび」を立ち上げ、現在2年目をむかえる。

▼後藤浩二(スープの会
ホームレスへの訪問活動を10年続け、喫茶スペースや小規模多機能型グループホームをオープン。

▽コーディネーター 安藤雄太(東京ボランティア・市民活動センター)

第1回 2月19日(日)【終了】
14:00~17:00(受付13:30~)
東京工科専門学校テラホール(東中野駅前 地図はこちら→

日本の福祉領域における社会的排除とコミュニティ形成の課題
▼三本松政之(立教大学コミュニティ福祉学部教授)
福祉分野における臨床社会学を主要研究テーマに、「社会的排除」「社会的包摂」をキーワードにした福祉事象に対する社会学的研究に取り組んでいる。具体的には、地域社会における福祉施設と住民関係(コンクリフト論)、ボランティア論、福祉コミュニティ形成等を当面の課題としている。

EUにおける社会的排除とイタリアの社会的協同組合の取り組み
▼田中夏子(都留文科大学社会学科教員)
労働者協同組合全国連合会、イタリア貿易振興会、長野大学産業社会学部教員を経て現職。著書に『イタリア社会的経済の地域展開』(日本経済新聞社、第3回生協総研賞「研究賞」受賞)、『現場発スローな働き方と出会う』(岩波書店)他、イタリア社会的協同組合関係の論文多数。

▽コーディネーター 中村陽一(立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科)