2011年度大会 不条理な世界、にもかかわらず

遠いところ、弱いところ、小さいところへ/から

人間の力ではどうにもならない不条理。
人間がつくりだしてしまった不条理。
私たちはそれに、いつ、どんなふうに直面するかわかりません。
貧困、無縁(無援)、自死、あるいは、大災害…。
しかし、その不条理のなかを、私たちは生きています。
どうやって? 何を寄る辺にして?
日本ボランティア学会が設立されて以来共有してきたさまざまな「市民知(思想)」は、辛く困難な状況にもかかわらずそれに向き合い、そこに寄り添う人々のなかから生まれてきました。
消費される言葉ではなく、現実の危機のなかで本当に必要な〈私たち〉の言葉。被災地の一日も早い復興を祈りつつ、小さく、弱く、遠くから発せられる言葉のなかに、私たちの未来を探ってゆきたいと思います。

会期
2011年6月25日(土)─ 26日(日)
会場
立命館大学 衣笠キャンパス
創思館カンファレンスルームほか
アクセス案内はこちら
主催
日本ボランティア学会
実施主体
日本ボランティア学会2011年度大会実行委員会
(委員長:津止正敏・立命館大学産業社会学部教授)
協力(予定)
立命館大学国際平和ミュージアム、立命館大学サービスラーニングセンター、明治学院大学国際平和研究所
→参加申込方法はこちら

第1日目 6月25日(土)

10:30-
エクスカーション受付(創思館)
11:00-12:30
エクスカーション 国際平和ミュージアム
ナビゲータ:桂良太郎(立命館大学国際平和ミュージアム)
13:00
受付開始(創思館)
13:30-13:40
開会あいさつ、オリエンテーション
13:40-15:10
特別講演
〈今、ここ〉を生きるということ

社会を覆う閉塞感の中、私たちはどのように希望を見出すことができるのでしょうか。小説を通して現代人の生きづらさを見つめ続ける平野啓一郎さんと共に、絶望的な状況においてもなお世界を肯定し、他者とともに未来を創造するための〈今、ここ〉を見つめます。

平野敬一郎さん近影(公式サイトより/撮影:斎門富士男)平野啓一郎(作家)

1975年愛知県生まれ。京都大学法学部卒業。1999年、在学中に『新潮』に投稿した『日蝕』で芥川賞受賞。2008年『決壊』で芸術選奨新人賞を、2009年『ドーン』でドゥマゴ文学賞を受賞。 他の著書に『葬送』『顔のない裸体たち』『かたちだけの愛』など。関連サイト→公式ブログ
15:20-17:20
パネルディスカッション
遠いところ、弱いところ、小さいところへ

脱成長の時代を迎えた日本。経済も、生活も、右肩上がりの成長モデルはもはや過去のものとなりました。より多くの人たちが、幸福とは何かについて、従来とは違う尺度を求めています。未来へのまなざしの向かうところは、遠いところ、弱いところ、小さいところ。そこから学ぶことがたくさんあるからです。困難に揺らぎつつも新たな幸福を探す3つの事例から、市民社会の思想を探ります。

松浦範子(フォトグラファ)
千葉県生まれ。高校教師、会社員を経て、1997年よりトルコ、イラン、イラク、シリアのクルディスタンを繰り返し訪問し、新聞、雑誌などで写真と文章を発表するほか、講演活動も行っている。著書に『クルディスタンを訪ねて』(新泉社、2003年)、『クルド人のまち』(新泉社、2009年)がある。明治学院大学国際平和研究所研究員。

田野智子(NPO法人ハート・アート・おかやま代表理事)
小学校教諭を経て、岡山県内の障害者施設や高齢者施設、就学前の子どもと親のクラブなどで創作活動を企画実施している。2004年より、アートリンク・プロジェクト、国際交流事業、瀬戸内笠岡諸島で高齢者との表現を通じた「カルチャーリンク」、学校にアーティストを派遣したり芸術教育の調査を行うなど、表現・食・文化という日常をテーマにし、年齢や分野を超えた人々の密接な交流から生まれる新しい価値の創造に取り組んでいる。

時岡浩二(NPO法人京都コミュニティ放送 理事)
2003年、日本初のNPOによるコミュニティ放送局として誕生した「京都三条ラジオカフェ」を運営。地元京都のコミュニティ情報はもちろん、市民参加の情報発信のしくみにより、難民問題や環境問題まで、テーマは幅広い。原発問題をとりあげた特番(4月8日放送)はUstream上で、放送後1ヵ月で47,000アクセスを記録している。関連サイト→京都三条ラジオカフェ

コーディネータ:猪瀬浩平(明治学院大学国際平和研究所)

明治学院大学国際平和研究所+立命館大学国際平和ミュージアム ジョイントプログラム
17:50-19:30
懇親会(以学館)

第2日目 6月26日(日)

09:30
受付開始(創思館)
10:00-12:00
一般演題(創思館および国際平和ミュージアム)
  • マイノリティーとしての力:パレスチナ人クリスチャン牧師の実践から
    湯浅正恵(広島市立大学国際学部)
  • 旧ソ連構成国における民間支援団体による不登校問題解消の試み:モルドバ復興支援協会「子どもデイケアセンター」を事例に
    川村容子(早稲田大学大学院教育学研究科博士後期課程)
  • 海外サービスラーニングにおける学生の学びと成長:立命館大学サービスラーニング科目〈ベトナムスマイルプロジェクト〉の事例から
    東夕子/小堀真子(2010年度受講生)
  • 認知症高齢者にかかわる傾聴ボランティアの実態調査:傾聴ボランティア実践者を対象としたヒアリング調査を通じて
    楊恩榮(日本社会事業大学大学院社会福祉研究科)
  • 「介護者を支援する」ということの原理と方法:読む・書く・語るプログラムの活動から
    西山良孝/津止正敏(男性介護者と支援者の全国ネットワーク)
  • ボランティア概念をめぐるあらたな検討:生活世界の視座の実践性
    小野達也(大阪府立大学人間社会学部)
  • 大阪にいながらの被災地支援:ハンドメイドの学用品を被災地の子どもたちへ
    三影雅代(「被災児童に届けよう。入園・入学グッズ」プロジェクト)
  • 東日本大震災復興支援にかかわる学生ボランティアの共働について
    杉浦健(関西学院ヒューマンサービスセンター)
  • サービスラーニングによる地域コミュニティへのインパクト:立命館大学サービスラーニング科目〈時代祭応援プロジェクト〉の事例から
    和田龍助(2010年度受講生)
  • 自律的に自分たちの暮らしを創造していくこと:京都上京区界隈におけるコミュニティの実践や相互のつながりを事例に
    米田量(トリペル(カフェ))
順不同。発表順および会場は、当日現地にてご確認ください。
12:00-13:00
ランチブレイク
日曜日は学内の食堂が休業しております。「ソーシャルキッチン」のお弁当を販売します(お茶付き1,000円)のでご利用ください。
13:00-14:50
グループトーク
遠いところ、弱いところ、小さいところから

未曾有の天災、そして福島第一原発の損傷により、私たちの暮らしは一変しました。多くの命が失われ、家や仕事、地域などの暮らしの基盤、さらには人としての誇りや生きるよすがさえ奪われた人たちが大勢おられます。 このような状況に直面する当事者のかたがたの声を直接お聴きし、私たちの経験や想いを分かちあうことから、私たち自身の暮らし・価値・行動をみつめなおし、発信していく一歩としたいと思います。

グループ1
私にできることは、なんだろう。-学生がみたTOHOKU

  • 面川常義(見沼・風の学校スタッフ/東京農業大学学生)
    宮城県角田市で稲作農家を営む実家に帰省中に被災。それでも淡々と畑に出て行く祖父から学んだ「しごと」の意味とは。
  • 金川真理(神戸大学大学院生)
    神戸大学が派遣したボランティアバスに参加し東日本大震災の被災地で活動。被災地でのボランティア活動経験から思う「私にできること」とは。
  • 柳瀬顕/小堀真子(立命館大学震災支援活動情報ネットワーク)
    テレビでは分からない被災地の現在と未来、後方支援活動の意味と役割。

コーディネータ:山口洋典(立命館大学サービスラーニングセンター副センター長、應典院僧侶)

グループ2
3.11以後の日本と私たち-今、何が起こっているのか

  • 阿部拓(いわき市野菜農家、福島有機倶楽部代表)
    丹精こめて育ててきた農地で米や野菜を育てられない、あるいは収穫しても届けることのできない農家の苦闘から。
  • 辻淑子(東京あきるの市「川原で遊ぼう会」代表)
    かけがえのない子どもの命を守るための「疎開」。共に生きてきた野山の、置き去りにされる無数の小さな命。引き裂かれる被災者の苦渋に向き合う、東京の「日常」から。
  • 井岡仁志(高島市社会福祉協議会)
    被災地の方たちをなんとか支えたいと赴いたボランティアや、かれらを支援する人たちのシンパシーと無力感、焦燥感から。
コーディネータ:楠原彰(学会運営委員、國學院大学名誉教授)
15:00-15:40
クロージングセッション
不条理の世界に生きる

桂良太郎、楠原彰、山口洋典
コーディネータ:津止正敏(大会委員長、立命館大学産業社会学部教授)

15:40-16:00
まとめにかえて

栗原彬(学会代表、立命館大学COE推進機構・特別招聘教授)

16:15-17:00
2011年度総会

参加費

  未会員 学会員 学生
両日参加 6,000円 5,000円 2,000円
いずれか1日参加 3,000円 2,500円 1,000円
懇親会 3,500円 3,500円 2,000円

参加申込方法

受付は終了しました。

PDF ICON大会プログラムをダウンロード(1.8MB)

本大会のサブテーマおよびディスカッションのタイトルとして使用している「遠いところ、弱いところ、小さいところへ/から」という表現は、清水義晴氏の著書『変革は、弱いところ、小さいところ、遠いところから』(2002年、太郎次郎社)のタイトルとは異なる経緯で発案、採用したものです。しかし、類似した表現であることが後から発覚したため、清水氏に経緯を説明し、意図を同じくするものとしてご承諾をいただいております。