※本大会は、東京都共同募金会より配分を受けて実施するものです。
あらかじめ何をするのか決められたわけではなく、誰の所有物でもない。誰もの拠り所となり、多様な交わりの機会を提供し、偶然が必然となりさまざまな営みが生まれる場。現代の社会には、そんな「原っぱ」がなくなり、あらかじめ何をするのか決められた「遊園地」に変わってしまっている。
障害のある人、高齢の人、子ども、外国につながる人、ホームレスの人、いじめや差別をうけている人、貧困に苦しむ人、子育て中の人など、さまざまな人びとが暮らしているのに、それぞれに分断され、互いに出会うことなく、孤立したまま生きづらい日々を送っている。数少ない出会いの場も、規則や規制にしばられ不自由な場となっている。そして人と人、人と自然との交わりは、限りなく希薄化していく。
そんなすれ違いの起きている私たちの社会。たとえば都市とその周縁(エッジ)~近郊農地、障害のある人や外国につながる人びとの暮らしの場、長屋、そして路地など~に目を凝らせば、多様な人と人とが出会い、生々しく交わり、そしてしんどさのなかで共に生きるための技法を編み出している現場を見出す。そんな周エッジ縁を一つひとつ結び、多様な人と人とをつなぎながら、東京白金の地に寄り合う場としての「原っぱ」を生み出す。
都市と農村の混じり合う東京郊外。草原広がる阿蘇の農村。そこに棲みつき、多様な人間、生き物たちと交わりながら生きる人びとが語る。それぞれの場所で、「障害」を取り巻く「地域」や「関係」がどのように変容していったのか、そして彼らがいかに「しがらみ」を編み直し、多様な人や生き物が共に生きるための「根っこ」としてきたのかを確認しながら、新たなムラの論理を探る。
人びとがつながりあい、支えあって成り立ってきた地域社会は、近年、ますますその底力を失いつつある。「人情あふるる」とイメージされる東京の下町でも、再開発の嵐に人と人とのつながりが危機にさらされ、都会の真ん中で、まるで過疎の村のように、支えあいの担い手がいない地域も出現している。人と人がつながりにくい現代。地域の絆を「もやいなおす」営みに、地域に新たな風をもちこむ人やNPOなどの存在はどのような役割を果たすことができるのだろうか? 被災経験から復興の道のりをたどる山古志の事例などとあわせて、考えていきたい。
生きることが辛く、希望を見出せずにいる。人とのつながりが断たれ、孤立に追い込まれている。とても不安だ……。
いま、“生きにくさ”を多くの人が抱えさせられているように感じられる。でも、こうしたなかで、身近に立ち寄ることができ、安心して自分を出せる場がある。他者との新たなつながりを紡ぎ、いつの間にかそこが生きる拠り所となり、自らの生を回復していく。…そんな実践がある。「居場所」の必要性が注目され、社会に広がりつつある今、「居場所がある」とはどういうことなのかを、共に感じ、考えていきたい。
●明治学院大学国際平和研究所/日本ボランティア学会ジョイントセッション
日本社会の周縁(エッジ)にはめ込まれ、互いに見えないように、触れ合わないようにさせられてきた人びとが、自分たちのことばと身体をあらわにして、生きるための表現を掲げて、明治学院大学白金キャンパスに出会う。さて、われ・われとは、だれなのか? あなたの、私の、生きるための表現とは何か?
●アートミーツケア学会/日本ボランティア学会ジョイントセッション
原っぱでは、人がいたいようにいられる。何かをしている人がいてもいいし、それを眺めているだけの人がいてもいい。そして、そのかかわり方は、いつでも変えられる。東京・芝にある地域交流拠点「三田の家」を原っぱにみたて、集まってきた人たちと即興からめーる団とで“うた”をつくるワークショップを行います。やがて哲学カフェがはじまり、皆さんとともに「原っぱ」を問います。原っぱにあそびに行くように、ぶらりとお立ち寄りください。
●21世紀社会デザイン研究学会/日本ボランティア学会ジョイントセッション
これまでデザインのメインターゲットから排除されてきた多様なユーザーが、積極的にデザインプロセスに参加する手法として注目されている「インクルーシブデザイン」。その思想と実践は、広義のデザインによって社会的課題の解決をめざす意識において、「社会デザイン」という構想とも相通ずるものをもっている。
「社会デザイン」と「インクルーシブデザイン」を導きの糸としながら、出発点としての個別性と差異を超える有用性の関係、必ずしも個人レベルでの製品やサービスとの関係にとどまらない公共性、そこでの『場』の役割などに着目し、「社会の質を変えるデザイン」のありようを深彫りしていきたい。
白金志田町倶楽部のご協力で、地元の元気なお店の名物料理などを中心に、「おいしい」交流会をめざしますので、是非ご参加ください。分科会が別会場で実施される場合も、分科会終了後の移動で間に合う時間設定にしてあります。現地より交通案内をいたしますので、係員にお問い合わせください。〔要申し込み/参加費別途4,000円〕
会場 明治学院大学パレットゾーン白金 インナー広場事前にエントリーした方たちの研究や実践発表の場です。発表者・タイトル・会場等は、当日配布される資料集にてご確認ください。
特別セッション 記憶と社会をつなぐアートプロジェクト「こころのたねとして 白金」発表会
「シロガネーゼ」に代表されるように、高級住宅地のイメージが先行する白金の街。でも、高層ビルの立ち並ぶ大通りから一本路地の奥に入れば、町工場や商店街など、下町の風情が残っている。そして、もともと住んでいた人と移り住んできた人とが出会い、人と人、人と土地との新たな結びつきが生まれている。そんな白金の街で暮らす人、働く人に、明治学院大学の学生が聞き取りを行い、記憶に残る白金の街の姿、懐かしさと新しさが交わる白金の街の雰囲気を、詩として表現する。白金になつく、その手がかりをつくる。
ワークキャンプ、児童福祉施設、セツルメント運動など、貧困状態にある人、困難を抱える人たちに寄り添い続け、大阪ボランティア協会に草創期からかかわり、人と人とを自在につなぐ場、人びとが自由に呼吸し、尊厳をもって生きていける場をつくり出してきた岡本栄一さん。制度では対応できないさまざまな課題に、ときに柔軟に、ときに断固たる姿勢で取り組んできた先達の語りに耳を傾け、現代の課題へとつなげる。
きめ細かく分断され、管理・監視が進み、関係が“荒れ地”化するなか、人びとの寄り合いと共生の場“原っぱ”はいかに開拓されるのか。参加者も含めて、現代社会のエッジで活動する人びとと語り合う。
未会員の方もオブザーバーとして参加できます。
※プログラムについて最新の情報は、実行委員会ブログをご確認ください。
こちら>>> http://vgakkai10.exblog.jp/
| 一般 | 学会員 | 学生 | |
|---|---|---|---|
| 両日 | 6,000円 | 5,000円 | 2,000円 |
| 1日 | 3,000円 | 2,500円 | 1,000円 |