2007年度大会 社会的排除と市民活動 ~生きることのしんどさをこえて~

■会期

2007年6月23日(土)・24日(日)

■会場

大阪市立大学 杉本キャンパス(大阪市住吉区)
アクセスはこちら

現代の社会変動によって、生きにくさが増大しています。その背景には社会的排除があります。引きこもり、ニート、ホームレス、ワーキングプア、異文化の排斥、性差による問題、アディクション、障害者・高齢者の冷遇などが、排除による問題として浮かびあがっています。多様な生き方や価値観を受容・包摂する信頼関係をつくろうとするとき、不条理に敏感な市民が大きな力を発揮します。この10年あまり、市民活動は着実に力をつけてきました。しかし、根本的な課題解決と社会変革には、もう一段のブレイクスルーが必要なように感じられます。そのためには、一方向の弱者救済をこえて、世界全体の――つまりは私たち一人ひとりの――偏りや生きにくさを意識化して、相互的な関係構築をめざす姿勢が大切ではないでしょうか。生きにくさの根源をつきとめ、信頼にもとづく生きやすい社会をつくるにはどのような行動をとるべきか語り合いたいと思います。

■プログラム

第1日目(6月23日)

12:30-
受け付け[法学部棟731教室]
13:30-15:20
開会あいさつ 金児曉嗣(大阪市立大学学長)
オープニングセッション
市民知、学知、官知の邂逅・格闘から地域をきたえほぐす――現場と大学のただならぬ関係

大阪市大が市内に新たに設置した社会実験道場では、教員・学生が市民知の現場へ参入し、現実対応能力が低下した官知がなお支配力を有する機能不全の都市を徹底的にほぐすことをもくろんでいます。条件の不利な都市地域におけるソシアルインクルージョンの取り組みや格闘の一端を聞きます。

【ウェルカムスピーチ】
▼佐々木雅幸(大阪市立大学都市研究プラザ所長)
創造都市の理論と政策に関して研究。著書に『創造都市の経済学』『創造都市への挑戦』『都市と農村の内発的発展』等。

【セッション】
▼横石金男(元大阪市職員/社福・慈福会成南地域在宅サービスステーションめぐみ施設長)
35年間大阪市の福祉現場で、生活保護にもっとも情熱をこめて対処してきた。2005年には都市研究プラザとの共同調査で生活保護の実態に切り込んだ。

▼西口宗宏(サポーティブハウスおはなオーナー)
脱野宿の単身高齢者の地域定着を支援するサポーティブハウスを始めて7年目。地域の町会長として大学の資産をフルに活用しあいりん地域の再生に取り組む。

▼水内俊雄(大阪市立大学都市研究プラザ副所長/大阪SFK代表)
都市の社会問題・住宅問題についての政治・社会地理学的を研究。大阪西成などのフィールドに積極的に出かけ、ホームレス問題などに取り組む。

▼内田 敬(大阪市立大学工学研究科准教授・都市研究プラザ運営委員/CoBiTo工房オーナー)
携帯、ITを活用した、人にやさしいまちづくりのとりくみを発展させようとしている。障害のある人とともに行う研究開発にも取り組む。

〈司会〉
▼中川 真(大阪市立大学大学院文学研究科教授/マルガサリ代表)
東南アジアの民族音楽、サウンドスケープ、サウンドアートを研究する音楽学者。ガムラン演奏家としても活躍し、2004年から障害のある人とのガムラン共同作品『さあトーマス』公演を続ける。近著に『サウンドアートのトポス』(昭和堂)。
15:30-17:00
パネルディスカッション
困難に出会ったとき、市民はどう「学びほぐす」か?
市民活動で、自分が培ってきた知識が通用しないとわかったとき、人はどう学びほぐし知を再構築すればよいのでしょうか。ときには専門知も活用しながら、つねに現場に身をおいてきた3人の知的体験を聞きます。

▼田中俊英(特活・淡路プラッツ代表)
編集者や不登校・ひきこもりの青少年への訪問活動を経て、困難をかかえる青年たちを支援するフリースペース「淡路プラッツ」にかかわる。03年、大学院で「臨床哲学」を修了。

▼尾上皓美 (くろーばー事務局長、中国語通訳)
商社勤務、留学を経てNPO職員として在住外国人対象の生活相談などを担当。退職後、「くろーばー」を立ち上げ、外国人DV被害者のための相談などを実施している。

▼ありむら潜(釜ヶ崎のまち再生フォーラム事務局長/漫画家)
西成労働福祉センターに就職し、広報誌に4コマ漫画を描き始める。以後、仕事のかたわらドヤ街を舞台にした漫画「カマやん」シリーズなどを描き続ける。釜ヶ崎のまち再生フォーラムの設立に参加。

〈コーディネーター〉
▼秋葉 武(立命館産業社会学部准教授/学会運営委員)
17:10-17:40
2007年度年次総会
18:00-19:30
懇親会[高原記念館学友会ホール]

第2日目(6月24日)

9:30-
受け付け[高原記念館]
10:00-12:00
共通演題(順不同)new!
  • 外国人医療現場における支援者の「困難」(研究/北村広美/大阪大学大学院)
  • 排除を生む無関心と市民メディアの役割:コミュニティ・ラジオ局の難民問題専門番組を事例に(研究/宗田勝也/同志社大学大学院)
  • 東松ノ木町の変遷に寄り添う市民活動団体の変容:NPO法人による団地生活支援事業の形成(研究/石川久仁子/大阪人間科学大学)
  • インクルーシブデザインワークショップから見える社会的排除の側面(実践/吉野英知/京都大学大学院)
一般演題(順不同)new!
  • 東京"みなとNPOハウス"がなくなった(実践/金谷千慧子/女性と仕事研究所)
  • 科学と社会の互恵交流文化をめざす:サイエンスカフェ神戸の実践(実践/桜井香織/サイエンスカフェ神戸運営委員会)
  • 「普通の子ども」のつぶやきや叫びに心をよせて:人権と平和の美術教育(実践/薮内好/船橋市立旭中学校美術科)
  • Kobeサイエンスくらぶ実践報告(実践/山本佳史/Kobeサイエンスくらぶ)
  • 1970年代の市民活動の生成:多元的国家主義者・末次一郎と多元的市民主義者の邂逅(研究/秋葉武/立命館大学)
  • 日本における障害者雇用の現状と課題:就労支援現場での問題意識から(研究/太田啓子/大阪市立大学大学院)
  • 当事者の現実に接近する調査をめざして:あるマイノリティ調査の実践から(研究/豊島慎一郎/大分大学)
  • 大学(学生)ボランティアセンターの現状と課題、展望:サービスラーニングという新潮流を踏まえて(研究/杉岡秀紀/同志社大学大学院)
  • 長野県上田市における家庭養護婦派遣事業(1956年)の歴史的意義(研究/中嶌洋/上智大学大学院)
  • 企業における社員のボランティア活動参加とCSR戦略:スペシャルオリンピックス「500万人トーチラン」・2005年冬季世界大会・長野の事例(研究/小森亜紀子/昭和女子大学大学院)
12:00-13:00
ランチブレイク
13:00-15:00
グループディスカッション(選択制)
  1. アートは差異をこえる?
    アートは、既存の価値観をずらしてしまうことがあります。差異をマイナスではなく、プラスととらえ表現していく取り組みをもとに、どのように異質を排除する価値観を転換できるか話し合います。
    ▼上田假奈代(詩人・詩業家/特活・こえとことばとこころの部屋(cocoroom)代表)
    3歳より詩作、17歳から朗読をはじめる。視覚障害者や一般社会人などとの詩のワークショップに取り組む。ココルームでは「就労支援カフェ」や釜ヶ崎の元野宿者らによる紙芝居公演のバックアップをしている。
    ▼大谷 燠(特活・DANCE BOX代表)
    舞踊家・制作として活動を経て、96年に「DANCE BOX」を立ち上げる。海外のアーティストと地元の高齢者との共同作業による作品づくり、新世界での42年ぶりの夏祭り「ビッグ盆」などに取り組む。

    〈コーディネーター〉
    ▼中川 真(大阪市立大学大学院文学研究科教授/マルガサリ代表)
  2. B.学びの場を「反転」する
    排除の解決には、排除する側・される側の同時的解放が必要です。双方の無意識な「排除する意識」に気づき、その克服のために学びあうにはどのようにすればよいでしょうか。「反転」する学びの場について議論します。
    ▼榎井 縁(財・とよなか国際交流協会 事業課長)
    大学卒業後、ネパールに渡りチベット難民小学校等でソーシャルボランティア活動に従事。帰国後、多様なセクターで在日外国人支援を行いながら、市民活動を主体とした多文化共生のまちづくりに取り組む。
    ▼津田英二(神戸大学大学院人間発達環境学研究科 准教授)
    専門は生涯学習論等。神戸大学の「ヒューマン・コミュニティ創成研究センター」で実践的研究を行っている。知的障害のある成人を対象にした公開講座、共生のまちづくり施設「のびやかスペースあーち」の創設や運営を通して、インクルーシヴな社会づくりの方法やあり方を模索している。

    〈コーディネーター〉
    ▼楠原 彰(国学院大学文学部教授/学会運営委員)
  3. C.地域の「複雑系」を媒介する
    地域では人びとの価値観が多様化し、利害や要求がぶつかりあうことがしばしばあり、そこから社会的排除が生まれます。それをどう調整し、まとめあげ、提案すればよいのでしょうか。信頼にもとづく地域社会の再生を考えます。
    ▼宮定 章(阪神・淡路大震災まち支援グループ まち・コミュニケーション代表)
    西宮生まれ、阪神大震災直後は、受験生で大阪に疎開。建築工学科に進むが、工学自体ではなく、「建築前の過程」に興味を持ち、神戸市御蔵地区復興まちづくり活動に関わる。「よそ者・若者」ボランティア、地域住民と地域住民の関係構築を担う。
    ▼荘保共子(こどもの里 施設長)
    幼児生活団や保育園勤務の傍ら、ボランテイアとして釜ヶ崎にある西成市民館の土曜学校に関わる。その後、多様な生活事情をもつ子どもたちが利用する「こどもの里」に開設時から関わる。
    ▼福田久美子(株・美交工業専務取締役)
    美交工業は、「人と環境とのつながりを大切にした社会づくり」をモットーとして掲げ、環境・雇用・園芸福祉などに取り組んできた。(特活)釜ヶ崎支援機構との共同体で、大阪府営住吉公園の指定管理者に選任された。

    〈コーディネーター〉
    ▼播磨靖夫(財・たんぽぽの家理事長/学会運営委員長)
15:00-16:00
クロージングディスカッション
3つのグループディスカッションのコーディネーターが集まり、それぞれの議論を共有します。
▼各グループのコーディネーター

〈進行〉
▼小松光一(大地を守る会 顧問/学会運営委員)
16:00-16:30
まとめにかえて
▼栗原 彬(学会代表)

※発題者およびプログラム内容の一部を変更となる場合があります。その節はご了承ください。

■参加申込み方法

  1. 参加費をお振込ください
    新規ご入会の場合は、年会費もあわせてお振込ください。払込用紙の通信欄には「振込内容(内訳)」をご記入ください。振込手数料はご負担願います。払込用紙の受領票をもって領収証に代えさせていただきます。
    ※6月17日以降にお申し込みの場合、参加費は当日会場にて申し受けます。
    郵便振替口座 00980-3-94307  日本ボランティア学会
  2. 参加申込フォームにご記入のうえお送りください。
  3. お申込み完了です。当日は受付でお名前をお知らせください。

■参加費


一般(学会員) 学生(学会員)
1日のみ参加 2,000円(1,500円) 1,500円(1,000円)
両日参加 3,000円(2,000円) 2,000円(1,500円)
懇親会 3,000円 2,000円

■申込/振込期限

2007年6月17日(日)

※いったんご入金いただいた参加費は、原則としてご返金いたしかねますのであらかじめご了承ください。

※6月17日以降のお申し込みも受け付けております。この場合、参加費は当日会場にて申し受けます。


主催
日本ボランティア学会
共催
大阪市立大学都市研究プラザ