2004年度大会 共生の社会技術

 

 科学的な知識や技術は、私たちの生活に便利さや快適さをもたらしました。しかしいっぽうで、それらの利用に関する体系化や秩序立てが行われてこなかったために、生活や人間性そのものを傷つけるような問題、複雑で広範囲にわたる問題を生み出してしまいました。たとえば資源の浪費は環境にダメージを与え、知識や技術の独占は貧富の格差を生み、機械や金銭に依存するようになった分だけコミュニティは希薄化し人間の孤立化を招いています。
 近年、分野を越えた幅広い視点に立って社会問題を解決するための「社会技術」に関心が集まっています。従来の科学的な知識や技術について、その利用のしかたを見直し、地球規模での「共生」に向けた新たな体系や秩序立てを開発しようというものです。
 これはさまざまな問題の解決に取り組むすべての市民にとって、身近な「隣接知」ととらえることができます。情熱や理念といった思いは、それを実現するための新しい技術と結びついてこそ、社会をよりよい方向に変えていくことができるのではないでしょうか。
 思いを形にする技術には、「従来のやり方・考え方」のとらえなおしや新しい仕組みづくり、立場や意見の異なる人々との協働のしかたなども含まれるでしょう。本大会では、多様な市民活動の実践のなかに、「共生の社会技術」を探してみたいと思います。そして、地域のなかで脈々と実践されているボランタリーな活動を、より大きな社会の文脈のなかに位置づける道すじについて、皆さんと共に考えてみたいと思います。
会期
2004年6月26日(土)・27日(日)
会場
松本大学(長野県松本市新村2095-1)
地図はこちら
プログラム

プレ・プログラム(6月25日)
A.ディスカバリー・ツアー1)安曇野のグリーンツーリズムを体験する
2)松本の福祉とコミュニティづくり
  ~町会福祉と福祉ひろばを訪ねて
B.連続講座NPO学習会「生きにくい日本の社会」川田龍平
19:00~ 松本市中央公民館Mウイング
C.地域づくりグランドワーク学習会「行政と住民のパートナーシップ」
 玉井袈裟男(松本大学)
「せせらぎ遊園~水の町~夢現塾からの出発」
 山田禎夫(滋賀県甲良町まちづくり課)
13:10~16:30 松本大学
プレ・プログラムに関する詳しい問い合わせと申し込みは
松本大学エクステンションセンター
Tel:0263-48-7200 Email:ecenter@matsumoto-u.ac.jp
大会第1日目
13:00-13:30受け付け
13:30-14:00開会あいさつ
 中野和朗(松本大学学長)
 住吉廣行(松本大学副学長、大会委員長)
ガイダンス
14:00-15:20
基調講演 現代社会における共生システム論の役割
京都大学共生システム論研究室では、人間、社会、自然の間にある「関係」のあり方、とりわけその意味や意義について探究しています。価値観や文化の多様性、地域の自立や個人の主体的判断を尊重したうえで、誰もが幸福になっていくことのできる社会システムやテクノロジーが求められているのです。これは、さまざまな市民活動にも通じるビジョンですが、そのビジョンに近づくための「共生システム論的」方法とはどのようなものでしょうか。

片井 修(京都大学大学院情報学研究科教授)
15:30-17:30
パネルディスカッション
経験知から問題解決技術へ
これまでの科学は、ものごとを客観的にとらえることで成立してきました。しかし、生きていくうえでの身体感覚や経験といった“もうひとつの知”もまた、問題解決方法を編み出していく上で大切なものであることに、私たちは気づきはじめています。ここでは、身体感覚や経験的な知を問題解決に結びつける“技術”について、実践をもとに考えます。

大矢野由美子((特活)ユニバーサルデザイン生活者ネットワーク事務局長)
甲斐徹郎(エコロジー住宅市民学校主宰、(株)チームネット代表取締役)
丸田 勉(脚本・演出家、ふるさとハウスビオトープオーナー、小川村議会議員)
塩瀬隆之(コーディネーター/京都大学大学院情報学研究科助手)
17:40-19:00懇親会
中野学長によるそば打ちの披露、地域づくりグループのコミュニティビジネスによるお土産販売など、松本ならではの懇親会です。

 
大会第2日目
9:30-10:00受け付け
10:00-12:00一般演題

松本の地域づくりと住民の学習についての地域からの発表ほか、学会員、学生らによる発表
▼長野県が変わる、住民が変わる、社協をこう変える! ▼高齢者学習学級から若者を巻き込んだ地域づくりの実践 ▼ものぐさ太郎をテーマにした地域づくり~大学との連携 ▼住民の学習を基盤とした自治型地域福祉づくり ▼コミュニティの自治と学習~公民館活動の手引きづくりを通して ▼公民館とNPOの連携~学習ネットワークづくり ほか
12:00-13:00ランチブレイク
13:00-14:30
グループディスカッション

ひとくちに共生社会といっても、そのイメージや実現への取り組み方法は一様ではありません。ここでは、これまでの議論を受けて参加者の意見を交わしあい、それぞれの実践や研究活動のあり方を捉えなおします。
A.地域づくりと「コモンズ」
香山篤美((特活)夢空間・松代のまちと心を育てる会事務局長)
調整中(フューチャー・コミュニティーズ・フォーラム)
中村陽一(ファシリテーター/立教大学大学院教授)
地域づくりは「私」の思いを大切にしつつ「公」を担う市民の協働をどのように進めるかがカギになります。地域で着実に実績を重ねている活動と、「創発」をキーワードにコミュニティデザインに取り組む実験的プロジェクトにヒントを得ながら、「共生の社会技術」への具体的なイメージをつくっていきます。
B.いのちを伝える技
木島知草(人形劇団がらくた座主宰)
黒田百合(金沢市民芸術村ドラマ工房ディレクター)
高橋卓志(ファシリテーター/神宮寺住職、(特活)長野県NPOセンター代表理事)
人々の感性にはたらきかけるアートは、生きることに意味を与えたり、未知なるものとの対話をもたらす社会技術といえます。社会の問題解決と共生に近づくための、表現の可能性を探ります。
C.新しい自治と参画のかたち
小林博明(長野市ボランティアセンター室長)
土屋桃江(北御牧村社会福祉協議会事務局長、保健師)
小池正志(コメンテーター/長野県社会福祉協議会事務局長)
白戸 洋(ファシリテーター/松本大学助教授)
大きな変革・改革の波の中にある地域の未来を考えるプログラムを、長野県社会福祉協議会が中心となって企画しました。全国的にも注目される長野県の地域の福祉の実践、住民の活動、そして社協のあり方について、現場からのビビットな報告とディスカッションを通して考えます。
14:40-15:10グループディスカッション報告
15:10-16:40
パネルディスカッション
共生社会と自己決定
共生社会の形成に向けて、私たち市民のこれからの役割はどのようなものでしょうか。「自己責任」という言葉が濫用される状況からもわかるように、自分の意志や自分らしさを大切にすることは、時に大きなリスクをともないます。異なる価値観をたがいに擦りあわせながら、それぞれが納得のいく自己決定ができる社会をつくっていくために、私たち市民の“経験知”をどのように生かしてゆけばよいでしょうか。

風巻 浩(神奈川県立麻生高校教諭、かながわ地球市民教育ネットワーク)
川田龍平(薬害エイズ訴訟原告、松本大学講師)
茅野俊幸((社)シャンティ国際ボランティア会事務局長)
栗原 彬(コーディネーター/明治大学教授、日本ボランティア学会代表)
16:50-17:20年次総会(議長:栗原彬)

※調整中につき、発題者およびプログラム内容の一部を変更となる場合があります。その節はご了承ください。
参加申込み方法
(1)参加費をお振込ください
新規ご入会の場合は、年会費もあわせてお振込ください。払込用紙の通信欄には「振込内容(内訳)」をご記入ください。振込手数料はご負担願います。払込用紙の受領票をもって領収証に代えさせていただきます。
郵便振替口座 00980-3-94307  日本ボランティア学会
(2)下記の参加申込フォームにご記入のうえお送りください。
(3)お申込み完了です。当日は受付でお名前をお知らせください。
参加費
( )内の金額は学会員および松本平地域の市民に適用されます
 一般(学会員)学生(学会員)
1日のみ4,000円(2,000円)2,000円(1,000円)
両日とも6,000円(3,000円)3,000円(1,500円)
懇親会3,000円
申込/振込期限
2004年6月21日(月)
お申込みは定員200人になりしだい締め切らせていただきます。
いったんご入金いただいた参加費は、原則としてご返金いたしかねますのであらかじめご了承ください。