財団法人たんぽぽの家

「ケアする人のケア」国際フォーラム2003年

癒す知・癒す美
ケアの文化のあるコミュニティづくり
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2003年 11月8日(土) ケアにおける芸術・文化の新しい役割  10:30-17:30(受付:10:00-)  18:00-20:00(交流会) 11月9日(日)「ケアする人のケア」を支える         プログラム開発とシステム構築  10:00-16:30(受付:9:30-)

国立オリンピック記念青少年センター 国際交流棟国際会議室 小田急線参宮橋駅より徒歩約10分 アクセスマップ 施設構内図

 現代社会では都市化が進み、人間の生を支えていたさまざまなコミュニティが崩壊しつつあります。このつながりの分断は、看護、介護、介助、子育てなど、人間と人間の関わりを基本とする生の営みにいろいろな問題を生じさせています。  なかでも、生き死にに根ざした文化の衰退は、生き死にの指針のゆらぎとなり、関わりからおこる人間の葛藤や苦悩や苦痛をより大きくしています。  日本はもちろん欧米でも、少子高齢化が進み、増え続けるケアのニーズに対応する社会制度が整備されています。しかし、そのような制度の充実や効率的なマネジメントだけでは、人間が人間として豊かに生きることはできません。ましてや、生きるうえでの苦悩をすくいとることはできません。  一方、人間の生き死にに深く関わる医療の現場でも、無機質な関係を超えて、人間と人間の信頼を築く医療が見直されつつあります。医療の現場に芸術・文化のポテンシャルを生かし、生命の、美の、優しさの恢復をはかる動きも、その一つといえるでしょう。  現代におけるケアは、すべての人間が幸福になる本質的な営みとして位置づけられています。芸術や文化を取り入れ、ケアの質を高める試みや、ケアする人をエンパワーメントし、人間と人間の豊かな関係性を築く取り組みがはじまっています。  このフォーラムでは、スウェーデン、オーストラリア、シンガポール、韓国から、医療、福祉、ヘルスケアなどに取り組む研究者、アーティスト、実践者を招き、ケアの文化やケアを支えるシステムについて報告を受け、ケアという営みの豊かさ、深い精神性について学びあいます。  このフォーラムを「ケアする人のケア」のグローバル・ネットワークの形成の第一歩とするとともに、ケアの文化の構築をめざすきっかけにしたいと思います。

主催:財団法人たんぽぽの家
共催:芸術とヘルスケア協会
助成:国際交流基金

プログラム

(やむを得ない事情により変更することがあります)
※各発題者の名前をクリックすると、簡単な紹介が表示されます。

11月8日(土)
ケアにおける芸術・文化の新しい役割  芸術・文化には、人間の心や精神をめざめさせ、生きる意味を考えさせる力があります。このような芸術・文化のポテンシャルをケアの現場にいかす研究や取り組みが、世界的にはじまっています。芸術・文化をもちこむことによって、豊かで満足度の高いケアが実現するからです。芸術・文化には人間が生きていくことを助ける役割があることを、医療、福祉、アートの分野から実証します。 進行:半田結(東北公益文科大学助教授)
10:30-10:40
オリエンテーション【受付10:00-】
10:40-11:00
イントロダクション
手入れの思想と芸術
●播磨靖夫(財団法人たんぽぽの家理事長・芸術とヘルスケア協会代表理事)  日本社会では、身体のケア、仕事、子育てなどが、「手入れ」という原則で行われてきた。しかし近年、都市化、あるいはアウトソーシング(外注)化によって、それが壊れつつある。現代人が自分自身に向き合い、関わりのなかで自他の存在感を回復させる「手入れ」を芸術でよみがえらせることができないか。
11:00-12:30
キーノートスピーチ1 ※逐次通訳
医療における芸術・文化的ケア
●ビルギッタ・ラップ(ストックホルム・カウンティ・ミュージアム研究ディレクター/スウェーデン)  ストックホルム州議会では、文化、ケア、健康についての研究に継続的に取り組んでいる。この研究プロジェクトは、医学、心理学、看護学といった分野と絵画、舞踏、演劇、音楽、園芸などをつなぎ、健康な人、病をもつ人、子ども、大人に関係なく文化活動の機会を与えることを目的としている。このプロジェクトのなかから先駆的な事例を紹介するとともに、北欧における芸術・文化としてのケアについて報告する。
13:30-14:10
キーノートスピーチ2
高齢社会における芸術文化の役割
●ブルース・ダーリング Bruce Daring
 高齢者施設における生活の質の向上は切実な問題であり、いかにして豊かな生活を送ることができるか、楽しく生きる場をつくることができるかが大きな課題である。芸術文化活動やすぐれたデザインは生活の質を向上させるために有効であり、欧米などでは先駆的な取り組みがはじまっている。欧米や日本の事例から、高齢社会における芸術・文化の役割について考える。
14:10-14:50
事例報告1
医療にアートを持ち込む意義とそのプロセス
●山口悦子(大阪市立大学大学院医学研究科発達小児医学)
 効率的な治療や処置が優先されがちな病院において、生活の視点で医療環境を整えることは大切である。とりわけ、子どもの発達や成長にとっては、「非日常」な入院生活に「日常」を導入することは極めて重要である。病院でボランティアを組織し、音楽や演劇などのアート活動を導入する具体的な実践から、医療におけるアートの意味とそのプロセスについて考える。
15:10-15:50
事例報告2
高齢者の可能性を引き出す演劇と関係づくり
●川口淳一(老人保健施設ふらの作業療法士)
 高齢者施設では単に介護を提供するのではなく、高齢者のなかにある可能性を見い出し、引き出し、周りの人たちと分かち合うことが大切である。老人保健施設ふらのでは演劇をとおして、高齢者が周りの人と笑いを共有したり、自分の能力を再発見し、達成感を味わう場をつくっている。演劇がどのように豊かな関係づくりにつながっているかについて報告する。
15:50-16:50
事例報告3 ※逐次通訳
ケアする人の学びとアート
●キャロライン・シェアラー(アラバマ大学バーミンガム校理学療法学部助教授/アメリカ)  ケアする人が自分自身の感性を育み、他者との関係性を育んでいくために、アートや文学などの役割が注目されている。表現活動は、他者に対しての深い理解や、全人的な視点をもたらすことができるからである。ケアの現場における写真の新しい役割、ケアする人の成長を促すアートの可能性について報告する。
16:50-17:30
質疑応答
18:00-20:00
交流会 於:国立オリンピック記念青少年総合センターD棟9 レストランさくら
11月9日(日)
「ケアする人のケア」を支えるプログラム開発とシステム構築
 ケアする人たちの孤立をふせぎ、孤独感、無力感を解消するためには、どのようなエンパワーメントが必要なのか。さらには、ケアする人を支えるにはどのようなシステムがつくられればいいのか。その手法の開発、専門家の役割について考えます。また、ケアする人たちを支えあうコミュニティづくりについても考えます。
進行:桂良太郎(奈良大学教授)
10:00-10:10
オリエンテーション【受付9:30-】
10:10-11:40
キーノートスピーチ3 ※逐次通訳
ケアする人をケアする社会システムの構築
●ルイス・ギルモア(ケアラーズ・オーストラリア代表/オーストラリア)  ケアする人をケアするためには、個々の取り組みをつなぎ、社会システムとして組み立てていくことが必要である。ケアラーズ・オーストラリアでは、ケアする人に情報やプログラムの提供を行うほか、政策に反映させていくための調査研究や提言活動などを組織的に展開している。ケアする人をエンパワーメントするための仕組みづくりについて考える。
11:40-12:10
事例報告4
医療と研究の連携~付き添い家族を支えるプログラムづくり
●草場ヒフミ(宮崎大学医学部看護学科教授)
 介護や看病のために孤立しがちな家族が、いかに自分の心身に関心をもち、自らの健康を取り戻していくか。宮崎大学医学部附属病院小児科で行われている、付き添い家族の精神的・身体的負担を緩和するための運動プログラムについて報告し、プログラムづくりのプロセスと、ケアの現場と研究機関の連携について考える。
13:10-13:40
事例報告5
韓国における高齢化とケアする人のケア
●チェ・キョンイク(水原女子大学校社会福祉学科客員教授/韓国)
 近代化と都市化がすすむアジアにおいて、コミュニティの崩壊と少子高齢化は共通の課題である。とりわけ、高齢者のケアに関わる家族が抱える問題、また社会システムとしての課題と試みについて報告する。
13:40-14:40
事例報告6 ※逐次通訳
シンガポールにおけるファミリーサポートと専門家の役割
●ガット・ティン(シンガポール国立大学助教授/シンガポール)
 アジアの社会福祉について考えるためには、家族へのサポートの視点を理解することが重要である。シンガポールでは、高齢者のケアを担うのは主に家族であり、政府や地域社会は家族をサポートすることに力を入れている。シンガポールにおける家族観、また福祉観からケアする人を支援するシステムと専門家の役割について報告する。
15:00-15:30
事例報告7
ケアする人をサポートする福祉ネットワークの形成
●益城妃富(みちのく総合ケアセンター部長)
 青森県むつ市にあるみちのく総合ケアセンターでは、市民中心の福祉活動の基盤整備をめざし、地域全体として"老い"を支えるための福祉ネットワークの形成を行ってきた。介護に携わる家族やケアに従事する人たちが学ぶ介護塾や福祉・介護図書館、介護演劇のプロジェクトなどを紹介する。また、介護ストレスの調査などからみえてきた問題点と福祉ネットワークの課題について報告する。
15:30-16:00
質疑応答
16:00-16:30
まとめ
近隣関係とケアの文化
●佐藤登美(静岡県立大学看護学部教授)
21世紀は、お互いの生活全体、人生の全体が見えるような、ローカル・カルチャーとしてのケアの有り様が重要になってくるだろう。そこでは、ケアをする・ケアをされるという関係を超え、近隣関係をはじめとした日常の習慣としての相互的な関わり合いを重層的に広げていくことが大切になる。それぞれのコミュニティのなかで、ケアを文化として高めていくことについて考え、そのための課題や、道筋について展望する。

関連企画

地方フォーラム 11/3仙台市・11/5名古屋市・11/10浜松市・11/11大阪市・11/13三原市・11/14廿日市市・11/16宮崎市を予定(詳細は下記までお問い合わせください)

お問い合わせ先

財団法人たんぽぽの家(担当:森下・高橋・森口)
〒630-8044 奈良市六条西3-25-4
Tel:0742-43-7055 Fax:0742-49-5501
E-mail:art-care@popo.or.jp

参加お申込み方法

  1. 参加お申し込みフォーム(このページにあります)に必要事項をご記入のうえ送信してください。
  2. 参加費をご入金ください。
  3. お申し込み完了です(参加証はお送りいたしません)。

申込締切

2003年10月31日(金)
ただし、定員になり次第締め切ります。【両日とも定員300名】

参加費

  一般 学生・ 芸術とヘルスケア協会 一般会員 芸術とヘルスケア協会 学生会員
2日間参加 7,000円 5,000円 4,000円
1日のみ参加 4,000円 3,000円 2,000円
交流会費 4,000円

参加費振込先

ケアする人のケア事務局
郵便振替 00930-6-24200
銀行振込 南都銀行西ノ京支店(普通)198010
※11月4日(火)までにご入金ください。振込手数料はご負担願います。
※いったんご入金いただきますと、ご返金はいたしかねますのでご了承ください。
※領収書が必要な方は、払込受領証等をご持参ください。

「ケアする人のケア」国際フォーラム 【参加申込フォーム】 <参加日程> 1日目(11/8) 交流会 2日目(11/9) <ご入金額計> 円 <ふりがな> <お名前> 一般 学生 芸術とヘルスケア協会会員 <ご所属、活動内容等> <ご連絡先> ご自宅 勤務先等 TEL FAX E-mail <今後のご案内送付先> 〒 様宛 <通信欄>