2004年度研究プロジェクト
- 2004年度研究プロジェクト
- ▼ケアの仕事をする人のケア
- ▼ケアする子どものケア
- ▼ICTを生かしたケアする人のケア
- ケアの仕事をする人のケア
- 背景
- 高齢化の進展とともに、ケアの仕事に就く人が増えていますが、心身の健康を損ねたり、バーンアウト(燃え尽き)症候群などによって、離職する人も少なくありません。とりわけ、施設ケアから在宅ケアへの転換にともなって、訪問サービス従事者が急増していますが、在宅での1対1の関係のなかでストレスを抱えて孤立化するケースが少なくありません。
ケアを担う専門職の健康やストレスに関する研究は数多くありますが、バーンアウト予防のガイドラインや、従事者をサポートするための具体的なシステムにまで言及しているものはほとんどありません。このプロジェクトでは、ケアの仕事をする人が自分の健康を守るための情報、および、サービスを提供する事業所が従事者をサポートすることで質の高いケアを実現するシステムについて研究します。
- 目的
- 1.ケアの仕事をする人の心身の健康を高め、問題解決能力を高めていくために必要な専門的な知識および経験的な知恵を集約して、インターネットや講座・書籍等を介して共有します。
- 2.ケアする人の心身の健康を考えることをとおして、「ケア」という他者との交流を大切にできる職場環境や社会状況のあり方を考えます。
- 現在の取り組み(どなたでもご参加いただけます。ご連絡ください)
- ● 次回の研究会を企画中です。
- ● ケアの仕事をする人が困難な状況をどう乗り越えてきたかについての事例収集を行う調査を計画しています。事例収集はホームページ上でも行う予定です。ぜひご協力ください。
- これまでの活動
- ●ケアする人のケア研究会(1)
- ケアの仕事をする人のセルフケアを考える
- 日時:2004年7月12日(月)19:00~21:00
- 場所:たんぽぽの家ミーティングルーム
- ゲストスピーカー:松本一生さん(圓生会松本診療所・老年精神医学専門)
- 研究会概要:ゲストスピーカーの松本さんは、痴呆の診断と治療、およびその家族の支援をおこなう全国でも数少ない実践者です。まず、痴呆についての基本的な理解、介護者(主に介護家族)のこころの動きや家族のストレスケアについての紹介がありました。次に、家族を支える専門職について、診療所に相談に来談した支援職74名に関するデータを紹介してくださいました。
さらに、ストレスコントロールとして、具体的な3つの方法の提示がありました。一つ目が、職員同士で評価をするときに反省会に終始せずにできたことを積極的に評価すること。二つ目は、職場とは異なる「共感の場」を各自がもち活用すること。三つ目は、時にはスーパーバイザーを活用すること。ここでいうスーパーバイザーとして提示されたのは、ユーザー(利用者)をスーパーバイザーにするというユニークなアイデアでした。
- ●ケアする人のケア研究会(2)
- ケアの仕事をする人のセルフケアを考える
- 日時:2004年8月19日(木)19:00~21:00
- 場所:たんぽぽの家ミーティングルーム
- ゲストスピーカー:小牧一裕さん(大阪国際大学人間科学部心理コミュニケーション学科助教授)
- 研究会概要:ケアの仕事をする人がぶつかる壁に利用者や同僚との「人間関係」の問題があります。づ時に、ケアする人がぶつかる壁を乗り越えるために役立つのも「人間関係」といわれています。
小牧さんからは、主に職場における人間関係についての基本的な理解を目的に話題提供がありました。まず、コミュニケーションにおける問題として、欲しい情報が足りないときに個人の経験や価値観といった内的情報で不足する情報を埋めようとすることから、情報のゆがみが生じるといった傾向、およびその対策について。次に、日本における察しの文化やコミュニティにおける人間関係の希薄化などへの言及があり、それに対して、自己表現・自己開示、用談と雑談、苦手な人との接し方として反報性・自発性、そして、よきケンカのコツについての話がありました。さらに、バーンアウトの基本的な理解と対処法についても話題提供がありました。「人間関係は自分から変えていける可能性がある」という点がとても印象的でした。
- ケアする子どものケア
- 背景
- 21世紀は、おとなも子どもも含めて誰もが他者の世話をする「ケアの時代」です。ケアに直面したときの驚きやとまどい、不安や葛藤は、ケアする人なら誰でも体験することですが、とりわけ子どもは、ケアについての正しい情報を得にくかったり、自分の気持ちや状況を伝える手段が乏しかったりすることが少なくありません。
祖父母の世話に関わったり、親やきょうだいが世話を必要とするケースなど、直接的にケアに関わる子ども、家事を担ったり、精神的に負担感を抱えるなど間接的にケアに関わる子どもは、これまでほとんど着目されることはありませんでした。
このプロジェクトでは、こうした子どもにスポットをあててサポートのためのネットワークを作っていきます。
- 目的
- 1. ケアする子どもの発見と情報収集
- 2. ケアする子どもをサポートするネットワークの構築
- 3. ケアをきっかけにして子どもが人間的に成長していくプロセスを明らかにすること
- 現在の取り組み
- ●ケアする子どもの体験談集作成に向けて、「わたしのケアの記録~ケアする子どもの体験文」を募集しています。
- http://popo.or.jp/carecare/kodomo.htm
- また、インタビューの実施も計画しています。インタビューや作品整理に協力いただける方はケアする人のケア研究所(財団法人たんぽぽの家内)までご連絡ください。
- ●次回の研究会を企画中です。
- これまでの活動
- ●「ケアする子どものケア」研究会(1)
- 日時:2004年7月3日(月)17:00~19:00
- 場所:たんぽぽの家ミーティングルーム
- ゲストスピーカー:清田悠代さん(ボランティアグループしぶたね代表・フリーのソーシャルワーカー)
- 研究会概要:ゲストスピーカーの清田さんからは、病気の子どものきょうだいの支援について話題提供がありました。ボランティアグループ「しぶたね」とは、米国のきょうだい支援のプログラムである「シブリング・ワークショップ(シブショップ)」の種まきプロジェクトという意味です。
清田さんからは、自らのきょうだいが重い病気であったという体験をふまえ、病気の子どもが体験するさまざまな感情(過剰な同一視・罪悪感・孤立や疎外感・困惑・憤りや恨みなど)についての紹介がありました。そして、シブショップの紹介と、しぶたねが2004年3月に行った第1回シブショップの様子について説明がありました。
サポートの必要な子ども(病気の子どものきょうだい)に対して特別なサポートが必要だということではなく、子どもを取り巻く家族や親戚、学校の先生や地域の大人など、さまざまな立場の人が気配りできることが大切だということを確認しました。
※しぶたねのホームページ
http://www004.upp.so-net.ne.jp/hisamo/sibtane.html
- ICTを生かしたケアする人のケア
- 背景
- ITをコミュニケーションのツールとして積極的に評価し、ICT(Information Communication Technology)として活用する例が現れてきています。たとえば、不登校やひきこもりの人への支援や、重度の障害のある人や外出の困難な難病の人たちのネットワークづくりに生かすといった例です。
このプロジェクトは、ICTを「ケアする人のケア」に生かす試みです。在宅で介護を担う家族が自宅に居ながらにして情報やコミュニティにアクセスできたり、一人で苦悩を抱えがちな専門職がゆるやかなつながりをもち、支え合いができるシステムを提案していきます。
- 現在の取り組み
- ●「ケアする人のケア」メール相談・ファックス事業を実施しています。
(2004年12月20日まで)
- これまでの取り組み
- ●ホームページをリニューアルし、情報提供やリンク集などの整備をすすめています。

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