![]() |
![]() |
――バーンアウトを防ぐにはどのようにすればよいのでしょうか。
「なかなか眠れない」「十分休養しているはずなのに疲れがとれない」「朝に憂鬱な気分になる」など、心身の悪循環におちいってしまった場合の対処には、大きく分けて2つの方法があります。
そのうちの一つは問題の原因そのものを見つめる方法です。原因は何なのか、そして、この悪循環を断ち切るには、どうすればよいのかについて検討するやり方です。この場合、問題はいつも相手やまわりの環境の側にあるとは限りません。自分自身が問題の原因となっていることも少なくありません。たとえば、自分の未熟さや努力不足が招いた事態であるとすれば、即効性のある行動は、さしあたり期待できません。事態を静観することも積極的な選択肢になりえます。時間をかけて、必要とされる知識や技能を学ぶことで、長い目で見れば、事態を改善することも可能でしょう。
もう一つの方法は、不快な感情を解消することを目的とした行動です。先の方法が直接的な、いわゆる「正攻法」であるのに対して、こちらの方法は間接的で「対処療法」的なやり方です。たとえば、相手のことや問題となっている状況などについてなるべく考えないようにしたり、あれこれ思い悩んでも仕方がないと達観したりすることで、意識的に不快な感情を抑えることができます。また、部屋の模様替えをしてみたり、歴史小説に没頭してみたり、温泉に出かけてみたりなど、関係のない活動に没頭することで気を紛らわすこともできるでしょう。さらに、少し荒っぽいやり方ですが、やけ食い、やけ酒、さらに友人に不平不満をぶちまけるというのも、気分を発散するうえで、時として効果があります。
ここまで書くと、最初の方法(「問題焦点型対処行動」と呼ばれています)と二番目の方法(「情緒焦点型対処行動」と呼ばれています)のどちらか一方を選択しなければならない印象を受けると思いますが、実際は、むしろ、両者を組み合わせて、悪循環に対処することの方が効果的かもしれません。状況を冷静に分析するためには、心身をクールダウンしておく必要があります。この時、情緒中心型対処行動が役にたつでしょう。趣味で気を紛らわしたり、何かで気分を発散したりすることは、「問題から逃げていては何の解決にもならない」と受け取られがちですが、問題を見つめ直すための前段階だと考えれば、有効な対処法だと言えます。
(久保真人/同志社大学政策学部助教授)
【次回】──介護や看護などの対人サービスにともなうストレスに対して、特に有効な対処法はあるのでしょうか。
![]()
Copyright © Tanpopo-no-ye 2005 All Rights Reserved
発行所 たんぽぽの家 〒630-8044 奈良県奈良市六条西3-25-4
TEL(0742)43-7055 FAX(0742)49-5501