
複雑な課題や多様なニーズであふれた社会に、オール・イン・ワンのデザインは通用しません。「インクルーシブデザイン」は、これまでデザインのメインターゲットからエクスクルード(排除)されてきたユーザーを積極的にデザインプロセスにインクルード(包括)する英国発信のデザインコンセプトです。
このフォーラムでは、そんなインクルーシブデザインの現在と、日本における実践ワークショップを紹介します。そこには、デザインの専門家ではない人たち、たとえば障害のある人や子ども、学生、地域住民、医療従事者などのユーザーとしての生活実感や、デザインパートナーとしてのアイデアが、多様に反映されています。
デザインを通してどのように魅力的で成熟した未来をつくっていくことができるのか。ユーザー参加型のデザイン・ワークショップの方法論や成果を共有し、社会にむけての具体的な提案についても考えたいと思います。みなさまのご参加をお待ちしています。
主催:財団法人たんぽぽの家 共催:九州大学 協力:エイブル・アート・ジャパン
イギリス発のインクルーシブデザインは、デザインによるソーシャルインクルージョン(社会的包摂)をめざしており、さまざまな社会的課題をテーマとしている。デザイン、教育、ビジネスの中心に位置付けられているインクルーシブデザインの理念と実践について紹介する。
多様なユーザーとともにバリアフリーデザインやユニバーサルデザインの実践的な研究をつづける。食器や家具、住宅、交通、まちづくりまで、コミュニティに根差したデザイン教育や研究開発プロジェクト、そしてユーザー参加によって生まれるデザインの創造力について報告する。
元来使いやすさよりも「自己」を作り出すものとして認識されるファッションデザインにとって、社会的包摂とは何か。「老人向け」「介護用」ではなく、普段着をよく見ることで現れるデザインの可能性をワークショップや事前調査を通して検証・紹介する。
「つまみにくい」「転びやすい」「歩きにくい」。分かりやすい言葉だとたかをくくっていても、視点が変われば実際の行動は異なる。インクルーシブデザインはいろいろな視点の人が一堂に介して、一つの言葉を共有する過程でもある。グループで共通の言語を発見し、その気づきによってデザインが構築されることを医療現場や動物園の実例をもとに報告する。
美術館やNPO、専門家、研究者が参加し、美術館を訪れるさまざまな立場から課題や魅力を考えるプロジェクトを実施。さまざまな人と美術館の関係をていねいにみつめる連続ワークショップについて報告する。
新しい奈良の観光をリデザインするために、地域振興について学ぶ学生とともに、「もうひとつの奈良らしさ」「自分らしい観光」について考えたワークショップを報告する。
ドットアーキテクツは「超並列」や「脱中心」など、様々なキーワードから設計者/非設計者の間の交通論を考えてきた若手建築家集団。日常にある創造行為を使用者へと取り戻すことを目的に、工具や建材を考え組み立てるワークショップを紹介する。